【雪が止んだ後が危ない? 融雪期に増える“見えない事故リスク”と企業防災】
大雪は終わっていない。 雪が溶ける今こそ、企業が備えるべき“第二の事故リスク”とは。

2025年から2026年にかけての冬は、 大雪と融雪を繰り返す不安定な天候となり、各地で多くの事故や被害が発生しました。

総務省消防庁の発表によると、
2026年1月20日〜2月12日の間だけでも
雪による消防機関などの対応は
・死者 49人
・重軽傷者 630人
・住家被害(全壊~一部損壊) 89棟
に上っています。

特に、死亡事故や負傷者数が例年以上に増加した地域も報告されており、 今年の冬がいかに厳しいものであったかが分かります。

そして今、大雪のピークは過ぎつつあります。
しかし――

雪が止んだからと安心していると、 屋根からの落雪、車両被害、交通事故、健康被害など、 雪が溶けるタイミングだからこそ発生する事故リスクが顕在化します。

融雪期は、企業の安全確保や業務継続に直結する重要な時期です。

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落雪・埋没事故(屋根以外も要注意)

先日、札幌市の倉庫で屋根の雪下ろし作業をしていた男性3人が、 滑り落ちた雪とともに屋根から転落し、雪に埋まる事故がありました。

融雪期は日ごとに気温が上昇し、屋根の雪が溶けて水となって流れ落ちます。 特に前日との気温差が大きく、一気に気温が上がった場合、 積もっていた雪が一度に滑り落ちることがあります。 今回の事故も、こうした急激な気温上昇が引き金となった可能性が指摘されています。

また、建物周辺で除雪作業をしている最中に、 屋根の上から雪の塊が突然落下し、作業者が埋もれて死亡に至った事例も報告されています。

雪が止んだ後こそ、 「上から落ちる」「一気に崩れる」という融雪期特有の危険に注意が必要です。

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落雪・埋没事故への企業対策

① 「気温差」に着目した作業判断ルールを作る
融雪期は**前日比の急激な気温上昇(特に+5℃以上)**が危険サイン。

✔ 前日との気温差を確認する担当を決める
✔ 急激な気温上昇日は屋根作業を原則中止
✔ 「晴れている=安全」と判断しない社内ルール化

👉 ポイント
事故は「大雪の日」ではなく、 “暖かくなった日”に起きやすい。

② 屋根上作業を原則“社員にさせない”

✔ 雪下ろしは専門業者へ依頼する方針を明文化
✔ やむを得ず行う場合はフルハーネス型安全帯を義務化
✔ 単独作業禁止(必ず監視者を配置)

③ 建物周辺の「落雪危険エリア」を可視化

✔ 軒下・屋根直下は立入禁止区域を設定
✔ カラーコーン・バーで明示
✔ 除雪作業は屋根から離れた位置から開始

👉 ポイント
転落・埋没事故は労災扱いとなり、企業責任が問われるケースが多い。
“上から落ちる”前提で、下に人を立たせない設計が最優先。

④ 雪庇(せっぴ)・雪の張り出しの早期発見

✔ 冬前点検+積雪後の目視確認
✔ 張り出しが見えた時点で専門業者へ相談
✔ ドローンや高所カメラの活用も検討

👉 ポイント
雪は「静止している」ように見えて、内部では溶解と再凍結を繰り返している。

⑤ 埋没事故への即時対応準備

✔ スコップ・除雪道具を複数常備
✔ 作業時は無線・携帯で常時連絡可能状態
✔ 救急要請の判断基準を共有

👉 ポイント
埋没事故は初動5分が生死を分ける。

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✍️まとめ

落雪事故は「大雪」よりも“気温が上がった日の油断”が引き金になります。
雪が止んだ今こそ、 企業として“作業を止める判断”ができる体制づくりが重要です。
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💬次回予告:
「乾燥注意報が出たら要警戒!」
雪が溶けると、次にやってくるのは“乾燥”のリスク。 火災・静電気・設備トラブル――
企業が見落としがちな「火災対策」を解説します。
お楽しみに!

2026.2.20